家を建てるなら知っておきたい!鉄筋コンクリート住宅に関する基礎知識を紹介
鉄筋コンクリート住宅は、木造住宅と異なって基礎構造に鉄骨素材を採用しコンクリート素材を四囲を囲まれています。
湿気が多く、季節による外気の変動が大きい日本では木造住宅は気候に適合した施工といえます。
ただし寿命はおおむね22-25年程度とされており、一世代の家族が成長すれば建て替えを検討する機会を向かえます。
これに対して鉄筋コンクリート住宅は一度建てると、寿命は47年以上とされており躯体が頑丈なため、耐震性能にも優れるなどのメリットが意識され人気を集めています。
鉄筋コンクリート住宅の定義とは?
鉄筋コンクリート住宅とはその名称が示すように、主に鉄筋とコンクリートを使用して建築された住宅として定義されるのが、一般的です。
この工法では、鉄筋を組んだ枠内にコンクリートを流し込んで固めながら、建物の下部から柱や梁そして床や壁さらに天井へと、建物全体を構築していく点に、大きな特徴があります。
引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮する力に強いコンクリートとの相乗効果によって、鉄筋コンクリート住宅では高い強度を実現しやすいことで知られます。
ちなみに鉄筋コンクリート造の建物の耐用年数は、平均で50年前後。
ただし定期的に正しくメンテナンスを継続することによって、さらに耐用年数を延ばすことも可能と言われます。
もちろん鉄筋コンクリート住宅のメリットは、これだけではありません。
構造が強固なので、広々とした間口や空間の部屋を設計したり、大きな窓を設置することもできますし、遮音性にも優れることから、住宅密集地や繁華街などに住宅を建てる場合にも、ニーズの高い工法と言えるでしょう。
鉄筋コンクリート住宅はRC造と呼ばれる
RC造はReinforced Concrete Constructionの略で、鉄筋により補強されたコンクリートを表わします。
コンクリート単体であれば強度に問題がある場合でも、内部の鉄筋が強靭さを与えて建物の耐久性を高めることが可能です。
これまでは高層ビルや商業施設など大型の建物で採用されてきましたが、ここ数年で一般的な住宅でも取り入れられた鉄筋コンクリート住宅が増えています。
従来型の木造住宅の場合は比較的低コストで一定の強度がある建物を構築できる一方で、火災が発生した際に延焼してしまうリスクがあるほか、大地震に見舞われた時には倒壊する恐れもあります。
そんな中で鉄筋コンクリート住宅なら、高層ビルや商業施設と同等のグレードを持った耐震基準や耐火基準を満たすことから、安心安全の住まいを求めている方の間で、選択する事例が増えています。
一方、鉄筋コンクリート住宅は重量が増加することから、しっかりとした地盤の土地に建てることが重要です。
鉄筋コンクリート住宅と木造建築の違い
鉄筋コンクリート住宅と木造住宅は、当然骨組みで使われる資材の違いが最も大きいですが、それに関連する形で他にも様々な違いがあります。
住宅を建てる際には、これら2つの資材の違いを理解した上で選択しましょう。
例えば、建築コストについては鉄筋コンクリート住宅のほうが断然高いです。
しかし、耐久性は木材を用いた住宅より鉄筋コンクリート住宅の方が優れており、メンテナンスを怠らずにきちんとおこなっていれば、新築後長く住み続けられます。
法定耐用年数にもそれがあらわれており、木造は22年となっているのに対し、鉄筋コンクリートでできた住宅は建材の種類に応じて19~47年となっています。
コストや耐久性以外にも、鉄筋コンクリート住宅は木材でつくられた住宅と比較して防音性能にも優れているといわれています。
耐震性能についても鉄筋のほうが優れていますが、工法や構造体の選択次第では木材を用いた場合であっても鉄筋の場合と同等以上の耐震性能を得られる可能性があります。
鉄筋コンクリート住宅と鉄筋住宅の違い
新築やリフォームを依頼するときに鉄筋コンクリート住宅と鉄筋住宅が選択肢にありますが、どんな違いがあるのかわからない人が多いです。
まず普通の鉄筋住宅とは、鉄素材を金具で固定して建築する住宅のことです。
太い鉄素材を金具で固定をすることによって、地震災害が起きた時に衝撃を吸収してくれるので壊れにくいのがメリットに挙げられます。
ただし鉄筋住宅は、湿気に弱いという性質があるため湿気対策をしても水気の多い場所には建てられないというデメリットがあるわけです。
この湿気に弱いという鉄筋住宅の弱点を改良して克服したのが、コンクリートをまとわせる鉄筋コンクリート住宅です。
鉄素材に湿気を含んでも影響がないコンクリートで覆うことによって、水気が多い場所であっても安心して建築することができます。
注意点としてはコンクリートを使うことでコストがかかるため、建設する際に事前に土地情報の中から水気の情報を集めたうえで選ぶことが重要です。
鉄筋コンクリート住宅は建て直しが少ない
鉄筋コンクリート住宅は、その特性から建て直しが少ないことが一般的に言えるでしょう。
この構造タイプは、耐久性や長寿命を備えており、建物の安定性を長期間にわたって維持することができます。
鉄筋コンクリートは、その強度と耐久性により、地震や自然災害に対しても一定の抵抗力を持っています。
そのため、地震などの外部要因によるダメージを最小限に抑えることができるため、建物の被害が少ないというメリットがあります。
また、鉄筋コンクリートの構造は劣化しにくく、錆びや腐食による損傷も少ないため、長期間にわたって安定した状態を維持することができるのです。
さらに、鉄筋コンクリートの修繕や改修も比較的容易です。
外壁の塗装や内部の仕上げなど、定期的なメンテナンスを行うことで、建物の美観や品質を保つことができます。
また、必要に応じて柱や梁の補修なども行うことで、長期間にわたって住まいを利用することが可能です。
ただし、建物の寿命を最大限に引き出すためには、適切なメンテナンスと定期的な点検が不可欠です。
専門家のアドバイスを受けながら、劣化や問題の早期発見と対処を行うことが重要です。
総じて、鉄筋コンクリート住宅はその強度と耐久性により、建て直しの頻度を抑えることができる建物です。
適切なメンテナンスと点検を行いながら、長期間にわたって安心して住まいを利用することができるでしょう。
鉄筋コンクリート住宅に期待する耐震性能
鉄筋コンクリート住宅に期待する耐震性能は、地震時に建物の構造が安定し、崩壊を最小限に食い止めることが求められます。
鉄筋コンクリートはその構造上の強度や柔軟性により、以下の点で高い耐震性能を期待できます。
鉄筋コンクリートの構造は強固であり、地震の水平振動に対しても十分な強度を持っています。
地震の際に発生する揺れに対して、建物が崩壊することなく、居住者の安全を確保することができます。
次に鉄筋コンクリートの柔軟性も重要な要素です。
地震時に建物は弾性変形し、揺れに適応することができるでしょう。
これにより地震のエネルギーを吸収し分散させることができ、建物全体の耐震性を高める効果があります。
鉄筋コンクリートは耐久性にも優れています。
長期間にわたってその性能を維持し、地震などの自然災害に対しても耐えることができます。
この耐久性により、地震が頻繁に発生する地域でも、住宅の寿命を延ばすことができるのです。
鉄筋コンクリート住宅は適切な設計と施工が行われている場合に、地震時に建物内の損傷を最小限に抑えることができます。
被害を最小限に食い止めることで、修復や再建の負担を軽減し、住宅の復旧を迅速に行うことができるでしょう。
鉄筋コンクリート住宅は火事に強いという事実
住宅火災などを気にする人は鉄筋コンクリート住宅がいいと言われていますが、それは一般的に火に対して比較的強い構造を持つからです。
まず非可燃性材料の使用があり、主要な構造材料である鉄筋とコンクリートは非可燃性の材料なので、火災が発生してもこれらの材料は燃えないために火の回りを防ぐ役割を果たします。
耐火性能の確保という意味では、鉄筋コンクリート住宅は耐火性能が高いため、高温に長時間さらされてもその強度を保ちます。
この特性により火事の影響を受けづらく、建物の構造が崩れるリスクが低くなるので家族の安全を守ることもできます。
鉄筋がコンクリートで覆われているこの保護層は、鉄筋を高温から守り融解を遅らせる効果があります。
火災拡大の抑制ができるのも、質量が大きいため建物内での火災拡大を抑制する効果が高いです。
そして火が拡がりにくい構造を持っているので、隣接する部屋や階への燃え広がりを抑えることができるのが特徴といえます。
鉄筋コンクリート住宅は防音効果が高い
鉄筋コンクリート住宅は一般的に、他の建築構造の建物と比べて、防音効果が高いのはなぜでしょうか。
名前のように鉄筋とコンクリートの組み合わせの鉄筋コンクリート住宅は、密度の高いコンクリートが防音効果を発揮します。
音を吸収する吸音よりも、音を遮る遮音性が優れているので、音の伝わりを少なくしたい場合に向いています。
音の大きさが小さくなる吸音に対して、音そのものの伝わりが少なくなることから、騒音が問題になりそうな場合に検討できる建築構造です。
鉄筋コンクリート住宅といっても、性能は建物の設計にもよるので、建築構造の種類が同じでも遮音性は様々です。
大きな騒音を完全にシャットアウトするのは難しいので、楽器の演奏などの目的がある場合は防音設備を導入して組み合わせる必要があります。
鉄筋コンクリート住宅は、防音に関わる基本的な遮音性が高い建築構造と捉えるのが正解です。
耐久性が高くて地震にも耐えられますから、マンションに向いているのも納得ではないでしょうか。
鉄筋コンクリート住宅なら屋上が活用できる
鉄筋コンクリート住宅は、その堅牢な構造と耐久性によって長寿命で信頼性のある住宅形態として広く使われています。
多くの方法で有効に活用することができます。
第一に貴重な空間であり、緑化や庭園化に利用することができるでしょう。
庭園を造成すれば、都市部における自然環境の保護に寄与するだけでなく、住宅の景観も向上させることができます。
緑化は夏の暑さを和らげたり、冬の寒さを緩和したりする効果もあり、快適な住環境を提供します。
第二に太陽光発電パネルの設置に適した場所です。
再生可能エネルギーを活用することで、住宅のエネルギーコストを削減し、環境への負荷を軽減することができます。
また太陽光発電システムを設置することで、個人のエネルギー自給自足にも一役買います。
第三にリラックスや娯楽のスペースとして活用することができるのです。
テラスやバルコニーを設ければ、家族や友人との憩いの場となり、憩いの時間を楽しむことができます。
屋上からの眺望を楽しむこともでき、心身のリフレッシュにも繋がります。
鉄筋コンクリート住宅の屋上は環境にやさしく、豊かなライフスタイルを提供する貴重なスペースと言えるでしょう。
その活用方法は多岐にわたりますが、どのような選択をするにしても、住宅の価値を向上させるポテンシャルを秘めています。
鉄筋コンクリート住宅で実現する地下室
これから鉄筋コンクリート住宅造りを実現しようという方の中に、地下室が欲しいと考えている方は意外と多いのではないでしょうか。
映画や音楽を大音量で楽しみたい人は結構多いですし、自分でギターやピアノ、キーボードなどを演奏したい人も少なくないでしょう。
これらを一般的な部屋で行うと大きな音が発生してしまうので、家族や近所に迷惑になります。
それが近所トラブルにも繋がるため、なかなか行動できないかもしれません。
そこで鉄筋コンクリート住宅造りの際に防音設備がしっかり整っている地下室を作っておけば、たとえ大きな音を出しても外へ漏れずに済みます。
自らの趣味を楽しむためにも、ぜひ実行してみてください。
鉄筋コンクリート住宅の建設を請け負ってくれる会社を探すなら、必ずインターネットを利用しましょう。
近隣の地域に絞って検索をかければいくつか見つかるので、まずは各社に連絡を入れるところから始めます。
電話からでも良いですし、もし各社の公式ホームページに専用の申し込みフォームが設けられているなら、そこに必要事項を書き込んで相談してみてください。
鉄筋コンクリート住宅は環境負荷が少ない
近年、鉄筋のコンクリート住宅の人気が高まっています。
その理由は、その耐久性と安定性にあります。
鉄筋コンクリートは、その構造上の特性から環境負荷に対して非常に強い材料とされているのです。
地震や自然災害の際にも安全性が確保されます。
堅固な構造は、住宅の長寿命化にも寄与しており、将来の修繕やメンテナンスの必要性を減少させる要因となっています。
鉄筋コンクリート住宅は、その特有の性質から快適な居住空間を提供します。
建物内部の温度や湿度の変化を適切にコントロールすることができ、四季折々の気象条件に合わせた快適な環境を保つことが可能です。
これにより住民たちは健康的な生活を送ることができるでしょう。
鉄筋コンクリート住宅は、その堅牢さと安定性から、多くの人々に選ばれています。
家族の安全や住まいの長期的な価値を重視する人々にとっては、鉄筋コンクリートの利点が大きな魅力となっているのです。
現代の建築技術と素材の進化により、鉄筋コンクリート住宅はより高度なデザインや機能性を持つことも可能となり、個々のニーズに合わせたカスタマイズも行えるようになっています。
したがって鉄筋コンクリート住宅はその強靭な構造と優れた快適性から、今後も多くの人々にとって魅力的な選択肢となることでしょう。
鉄筋コンクリート住宅でかかる材料費と人件費
鉄筋コンクリート住宅を建てる際にかかる費用と人件費は、その規模やデザイン、地域によって異なりますが、一般的には大きな投資となることが予想されます。
建物の規模や構造、仕様に応じて必要な材料量が変動し、それに伴って材料費も変わるでしょう。
鉄筋コンクリート住宅の場合、コンクリートや鉄筋、断熱材、外壁材など、さまざまな材料が必要です。
特に鉄筋コンクリート構造は強度を保つために必要不可欠な要素であり、これにかかる費用は全体の材料費の一部を占めるでしょう。
また、外壁や内装に使用する材料もデザインや仕様によって価格が変動します。
一方人件費も建設コストの大きな要素です。
建物の施工作業には大工やコンクリート工、電気工事や配管工事など、さまざまな専門職が関与します。
これらの職人たちの技術や労力に対する報酬が人件費として支払われます。
特に鉄筋コンクリート住宅の場合、施工には高度な技術が必要であり、その分人件費も一般の住宅に比べて高くなることがあります。
建築地域や建築業者によっても価格に差が生じるため、複数の見積もりを比較検討することが大切です。
予算を適切に見積もり、計画的に進めることで、建築費用をコントロールすることができるでしょう。
鉄筋コンクリート住宅は修繕費が安くなる
マイホームを建てた人が必ず直面するのが、10年に1回程度の大規模修繕工事を行うときの費用の確保です。
特に木造住宅の場合には、点検を受けた段階で雨漏りが見つかることも多いです。
しかし構造がしっかりとした鉄筋コンクリート住宅であれば、修繕費用をかなり抑えることが可能です。
ハウスメーカーの定期点検サービスを活用すると、早期に不具合を発見して更に管理コストを抑えることも容易です。
ところが坪当たりの単価が多少高いために、鉄筋コンクリート住宅の建築を躊躇する人がいるのも事実です。
けれどもハウスメーカーの担当者から説明を聞くと、鉄筋コンクリートで建てた住宅のメリットを実感できるようになります。
しかもコンクリートは熱にも強く、火災が発生したときには延焼を食い止めらえるメリットも大きいです。
そして事前に地盤調査を依頼して適切な対策を行うと、住まいの耐用年数も更に長くすることが可能です。
立地に合ったプランを活用するのが、鉄筋コンクリート住宅で永住するためのポイントです。
鉄筋コンクリート住宅は温度変化が少ない
鉄筋コンクリート住宅は、その建築材料の特性から温度変化が少ないと言われています。
これは建物内部の温度が外部の気温変化に比べて比較的安定していることを意味します。
鉄筋コンクリートは、鉄筋とコンクリートの組み合わせで構成されており、この組み合わせが温度の変化に対して優れた特性を発揮します。
まずコンクリートは比較的高い熱容量を持っています。
つまり多くの熱エネルギーを吸収しても温度が急激に上昇しないため、屋内の温度変化が緩やかになります。
そのため屋外の気温が急激に変化しても、建物内部の温度が安定して変化します。
さらに鉄筋コンクリート構造は断熱性にも優れています。
外部からの熱の侵入を防ぐことで、冬場の寒冷な気温による建物内部の温度低下を緩和し、夏場の高温による建物内部の温度上昇を抑える効果があります。
鉄筋コンクリートは建物の耐久性にも貢献します。
その堅牢な構造は影響を受けにくく、長期間にわたって安定した温度環境を提供します。
鉄筋コンクリート住宅は、これらの特性によって温度の変化が少ないとされており、居住者にとって快適な居住空間を提供すると同時に、エネルギー効率を向上させることにも寄与しています。